「SUMMER NUDE」というドラマを毎週楽しみに観ている(つってもまだ二話目だけど)。
部屋にこもってウィーザーとかスーパーカーを聴いてるだけの暗い青春時代を送ってたぼくだが、その反動もあってか、こういうキラキラしたなにがしというのに軽く憧れを持っており、映画版の『ハチクロ』なんかも意外とたのしく観た。原作は未読なのだが、のちに吉田豪が作者は大変暗いひとであり、ああいうキャンパスライフにあこがれて「ハチクロ」を書いたと証言しているので、そういう部分にシンパシーを感じるのかもしれない。
この『SUMMER NUDE』もご多分にもれず、キラキラしたひと夏の青春恋愛群像劇であり、あまりにもまぶしすぎてまともに見れないようなシーンもあるくらいの王道作品。かなり前に『ビーチボーイズ』というドラマがヒットしたが、あのドラマの民宿が海の家になり恋愛に寄っただけで、予告編やCMなどを見て『ビーチボーイズ』みたいだなぁと思ったそこのあなた！まったくそのとおりだ！
やり手のシェフで経営手腕もバッチリな香里奈が結婚式当日に旦那に逃げられるのが物語のはじまり。婚約不履行だとかドロドロした部分はすべてカットし、寿退社した前の職場に戻ろうにも後任がきまってるから戻れないというなかなか生ぬるい状態でウジウジしている。山Pはその結婚式でカメラマンをしていて、披露宴で流すはずだったDVDやアルバムを作成している会社で働いているんだけど、仕事は仕事だからとりあえず金はもらいなさいという社長に命令により、香里奈に請求書を送る。しかしさすが山P。あまりにもかわいそすぎるということで直筆の手紙と電話番号をちゃっかり添えており、香里奈はお礼の電話をする。一方その頃、山Pの地元では毎年夏になると知り合いが海の家を開くというのが恒例になっており、今年もそういう季節がやってくるわけだが、なんとその人が妊娠して子供が産まれてしまったので、今年は開けないなーとみんなが困っていた。そんなときにあ！適任がいるじゃん！と一度電話でやりとりした香里奈に店をやってもらおうと、地元に呼び寄せるんだけど……っていうのが第一話。
まぁこの時点で偶然にたよりまくってるわけだが、そんなことよりも主人公をとりまく環境がすごい。山Pの元カノがなんと地元じゃ有名なミスコンの優勝者でそれが縁になったのか、多分東京の方で芸能関係のお仕事をしている(まだ明かされてないけど多分スカウトかなんかで東京にいってて、山Pを捨てた)。山Pは彼女のことが忘れられず、別れてから3年経ってもいまだに地元に戻ってきてくれると信じており、そのことについて仲間からはイジられる始末。ちなみに山Pには腐れ縁と称する女友達:戸田恵梨香がいて、彼女はなんと10年間も山Pのことが好きなんだけど(しかも本人に向かって堂々と好きって言ってる)、その戸田さんは地元では有名なビール会社の社長の娘であり、そのビールの宣伝のモデルとして山Pの元カノが採用されているのである！ちなみに戸田さんはその父親のおかげで何もしなくても優雅な暮らしをし、のほほんと地元でスローライフを満喫中！うらやましいぞ！この野郎！片方はモデルで片方は金持ちの娘さんかい！どんな状況だ！
んで、まぁそこに香里奈がどう絡んでくるか？というのが恐らくこのドラマの見所になるのではないかと思うのだが、昨日放送された第二話がなかなかすごかった。
山Pは仲間がバイトをしているDVDレンタルのお店に毎回延滞料を払っているんだけど、その理由が驚愕。なんと目の前から消えてしまった元カノとの最後の約束「まだ『48時間』一緒に観てないから消えるわけないじゃん」ということばを信じて(でも消えてるんだけど)、なんと山Pはその『48時間』のDVDを三年も借り続けているのである！！！いつか戻ってきたときに一緒に観られるようにと！！！ドラマでは一週間で2100円の延滞料金を払っているシーンが出てくるが、単純に計算して一ヶ月で8400円なので、一年で10万ちょい………
DVD買え！！！！
さらに戸田さんは毎日このレンタル屋に顔を出していて、それもそのDVDが返却されてるのかどうかチェックしているという徹底ぶり。あげく店員さんから「買い取りか返却かどっちかにしてくれないとこっちも困るんですよねー」と言われてるがそりゃそうだ！買い取れ！――――とまぁ、このシーンからもわかるように、基本的にこのドラマは登場人物がすこぶるバカで救いようがない。徹底的に都合がよく、まさに「ドラマの中の世界」からひとつも逸脱しない奇跡のような作品だ。見るに耐えない人がいるのもよくわかるが、なんだかんだでワクワクしつつ最後まで観てしまっているのも事実。登場人物の恋愛模様＋次回はどんなトンでもシーンが出てくるのか？というのを楽しみにこれからも見続けていく所存である。
