スマパンの話。

ネットを見たり、いろいろ書いたりする、ミクシィのレビューもおもしろいですね。Yahooと違ってみんなしっかり書いてるから、読みごたえがある。ニルヴァーナスマパンを読んでて泣きそうになった、みんなそれぞれ思い入れがある音楽というのがあるんだよなぁ、オレよりもぜんぜん伝えるのが上手い人ばっかり!

私はグランジは世代的にちょい上なんですよ、なんと言ってもドンピシャはオアシスのモーニンググローリー。そん時、洋楽とか聞いてると生意気に見られると思って、誰にも言わずに聞いてたんですよね。ブラーとか、そのちょい後にWEEZERがくるんだけど、90〜96年の洋楽と邦楽のロックはすごく濃かったですよね、これは思い入れがどうのこうのというより、客観的に見ても名盤揃いですから、いい時代にいいタイミングで聞けたよな、

という事でスマパンの『サイアミーズドリーム』を聞く。ニルヴァーナの影に隠れ、当然ながら知名度では完全に負けてるが、個人的にはニルヴァーナよりも好きだったスマッシングパンプキンズの2ndアルバム。ノイジーなギターに超絶なドラム、ビリーの声には好き嫌いが別れるがとても繊細で轟音のサウンドに希望や絶望といった隣り合わせの感情を表現している。ビリーがソングライターとして素晴しいのはこの作品と次作の『メロンコリー』を聞けば分かる事だが、バランス的にもこのアルバムが一番いい気がする。やっぱり最高傑作に挙げる人も多いし、個人的にも回数をかなり聞いたアルバムだ。

スマパンは世界的にも日本にも多大な影響を与えている、hideがその影響を受けてるのは楽曲を聞けば当然だが、タイトルどころか、ギターリフまでパクったのがDragon Ash。もう解散してしまったゼペットストアやピック2ハンドもスマパンの影響を口にし、リンプピズキッドの音質なんかもスマパンの影響はあるだろう、だがすごいのはスマパンがあの音を鳴らしていたのは93年、もっと言うとアルバムの『ギッシュ』は91年である。ハッキリ言って早すぎると思う。スマパンが鳴らしていたのは確実に2000年代でも色褪せない未来のロックだった。私がニルヴァーナよりもスマパンの方が好きだったのは、グランジという枠に収まる事の無い音楽性だったからである。グランジオルタナとかではなく、音像そのものが“スマパン”というジャンルを与えてもいいくらいの音楽性なのだ。今はニルヴァーナにもかなりの魅力を感じている、同じくらい好きかな。

このアルバムはそんなスマパンの魅力がギュッと凝縮されている。つまりスマパンを知りたければこれを聞けという位のアルバム、ビリー・コーガンカート・コバーンをライバル視していて、そこからこの様なアルバムが生まれたのだが、あの時代にビリーとカートというソングライターが競ってアルバムを制作していたこと自体奇跡で、「ペットサウンズ」と「ラバーソウル」くらいのライバル関係だと思っている、実際『ネヴァーマインド』と『サイアミーズドリーム』は甲乙つけがたいアルバムで、どちらかが欠けていたら、その後のアルバムもなかったと断言してもいいだろう。

『CHERUB ROCK』のドラムロールからの轟音、hideも参考にしたであろう『QUIET』のギター、ビートルズの『イエスタデイ』と並ぶほどの名曲『TODAY』キャッチーなリフから放たれる希望と絶望を歌った『HUMMER』個人的にはかなりお気に入りの『ROCKET』その後のロック+ストリングスに繋がる『DISARM』これまた美しい調べの『SOMA』超絶な演奏にテンションが上がる『GEEK U.S.A』これぞグランジだと言える『MAYONAISE』アコギとストリングス見事に使った『SPACEBOY』にスマパンのロックを見せつけた大作の『SILVERFUCK』小品であるビートルズ風の美しい楽曲『SWEET SWEET』を挿み、ラストを飾るにふさわしい『LUNA』で締める。ボーナストラックである『PISSANT』もアルバムで聞くと浮いているが、この曲もボーナスに入れておくにはもったいないくらいのかっこ良さだ、アルバムの完成度もさることながら、楽曲すべてがどれもベストに持ってきていいくらいの出来なのは聞けば分かる事だろう。

ちなみにこのアルバムを『洋楽にハマりたいけど、どれから聞いたらいい?』という人に勧めると絶対に『なんだこのアルバム!すげぇ!』という答えが返ってくる。なので、このアルバムを嫌いな人は多分この世にはいない(笑)ロック好きなら避けて通れない名盤。

スマパンのレビューを読み漁る、また泣きそうになる、ミクシィって一体どんな人の集まりなの?言葉が刺さるというか、もう直球の言葉達が目に焼き付いてる、他のアーティストのレビューじゃこうはならない。スマパンニルヴァーナだけなの、それくらいみんなの想いが強いっていう事だよね!

んで、その影響でスマパンの『tonight,tonight』を聞く、私スマパンでこの曲が一番好きなんですよ。ストリングスとロックの融合としてはこの曲が郡を抜いて素晴しい、ビートルズがやった事の延長線上にあるんだけど、メロも美しいし、歌詞も素敵でね、9.11のテロの時、この曲がすごく流れたらしい、『オレがお前を信じてるくらい、オレを信じろ』っていうのが、なんかいいっすよね、サウンドと共にキュンてなる。ミスチルの『Worlds end』は絶対この曲の影響で出来た作品ですよ、イントロなんてマジに似てるもん。

んで、みんな『tonight,tonight』のプロモがすごく素敵っていうんで、探してみたら…『tonight,tonight』のプロモがあった!見てみたんですけど、マジに鳥肌が立った!これは私の好きなテリーギリアムの『バロン』の世界観ですよ!いやぁ本当に素敵すぎて、まじでね、寒気した、金もかかってるし、こういう風にプロモって作るべきだよ、いくらくらい金かけてるんだろうなぁ、浜崎あゆみとかも見習った方がいい、金をかけてふざけたものを作るよりは、ちょっと遊び心がないとダメだね。

んでさらにね、『tonight,tonight』のライブ映像があった!これがマジで鳥肌もの、すっごい!ストリングスを揃えに揃えて、録音したものを再現してるところがすごい!私オアシスの海賊版ライブビデオ持ってるんですけど、それでもね『What ever』を完璧に再現してるんですよ、これは残念ながらノエルが歌ってるんですけど、スマパンのは完璧でしたね、いやぁこれはいいものを見たなぁ…