ANAHEIMER KITCHEN


22日夜
仕事が終わった後、またまたラー油を作製。前回ほど凝らず、今回は油とデスソースのみ。と言っても、これから、どんどんいろんな食材を足してパワーアップさせようと思うのだけれど。

いつもなら、ビールを飲みながら、ほろ酔いでやるのだけれど、デスソースを全部使ったので、濃度が濃く。ちょっとしたミスで目に入ったりなんかしたら、死亡確実なので、しっかりと素面で作製。

iPodCannonball Adderleyの『Somethin' Else』を聞きながら、焦がさないようにゆっくり、じっくり弱火で炒め続けました。うーん、何度聞いても『Autumn Leaves』のムードにはやられてしまうなぁ。

23日朝
下駄を鳴らして遊歩道を歩き、ユニクロに向かう。下駄はアスファルトはいいのだけれど、店に入るとツルツルと滑るので、あまり良くない事が分かった。さすがに今回はすっ転びはしなかったけど。魔界村パックマンのTシャツをゲット。パックマンの方はドット絵でゲーム画面がプリントしてあるヤツだ。

23日昼
ひたすらアメトーークを見続けた。

23日夜
仕事。夜中の三時までである。ふひー。

24日昼
休み。起きて、ANAHEIMER KITCHEN(アナハイマーキッチン)という洋食屋さんを目指す。

関屋の住宅街にあるお店らしいのだが、ここの店主さんが、ぼくの職場に良く来て、さらにものすごい映画好きなので、行こうと行こうと思っていた。さらに職場のパートさんも先に行ってて、隠れ家的なお店で、映画のパンフレットとかいっぱいあって、しかもおいしいよ!行って来なよ!と言われたので、行く事に。

車を飛ばして、関屋の原信へ。車が止められないらしいので、原信の駐車場に止めて、歩く。今日は若干涼しい、ポロシャツを着て来た事をちょっと後悔。

第一高校の前をさっそうと歩き、松井酒店を曲がると住宅街になる。さらに歩くと住宅街の中にひときわ目立つ黄色い建物が、そこがアナハイマーキッチンである。植物が山ほどあり、木で出来た入り口が新潟らしからぬ雰囲気を醸し出す。ハロウィンのジャックランタンが季節に関係なく置かれているようで、チョークで書かれた営業時間は半分消えかかっていた。

そろーっとお店に入ると、いきなり映画のパンフレットの山。さらにスターウォーズのフィギュアやアメリカのおもちゃが並ぶ店内。ヴィレッジヴァンガードを濃縮したようなレトロでポップなカオス。売り物なのか、店主のコレクションなのか分からないディズニーのキャラクター商品がところ狭しと並び、一目見て気に入ってしまった。

早速キッチンからいらっしゃいませーと店主。

「あ、どうも」

最初は分からない様子だったが、すぐに「あー!よく来たねぇ」となった。どうやらぼくの事を認識してくれたようである。

椅子が3つしかなく、青いタイルで出来たカウンターに「まぁ、どうぞどうぞ」と通された、目の前にはビンの中に入ったスパイスやポップコーンの豆、ハーブなどが並んでいて、上にはディズニーの絵が書かれたお皿が飾られている。隣にはコーヒーを挽く機械とビンのコーラが並ぶ。

早速、ここに来た経緯やら、なんやらを話して、映画の話をしまくる。店主は『重力ピエロ』を観たようだ。するとすぐに別なお客さんも来て、ぼくのところとその別なお客さんのところに水が置かれた。

ぼくは店の看板メニューであるビーフカレーを大盛りで注文。ビーフカレーは500円であり、大盛りは+100円で可能だ。

すると奥さんが店の二階からやってきた。最初はぼくの事は分からなかったようだったが、手作りのフォカッチャをサービスで出してくれた。柔らかく市販のパンには無い小麦の風味がたまらない。いかにも手作りしましたというあたたかさがある。

映画の話をしながらカレーをあたため、数分したらカレーが出て来た。

ものすごく大盛りのビーフカレーが目の前に置かれる。一口喰らったのだが、非常にうまかった。驚いた。肉や野菜は全部溶け込んで、あまり辛くなく、酸味が強い。

「めっちゃうまいっすね!ビーフシチューみたい!」
「うまいだろ?ありがとう、ビーフシチューみたいだってよくいわれんだよ!ガハハハ!」

これで500円は破格だ、ハッキリ言ってうますぎる。日曜の昼なのにお店はかなりヒマだったが、宅配弁当もやっていて、そっちの仕込みやらなんやらでかなり忙しいらしい。

食べ終わると今度は奥様が、お手製のケーキを出してくれた。もちろんこちらもうまい。シュー生地にカスタードクリームが入って、その中にパイナップルが入ったケーキ。チョコがかかっていて、アクセントにスライスしたアーモンドが乗っている。

「このケーキもハンパ無くうまいっすね!」
「あらーうれしいわー、もう手でがぶっと食べちゃってねぇ」

やがて店にはぼくしか居なくなってしまった。店主はお客さんが座るテーブルに出て来て、いろいろ映画の話をした。奥さんはウディアレンが大好きで、店主は嫌いらしく、二人で盛り上がると若干すねていた。ミア・ファローが好きだと言う話になって、奥さんも店主もタイトルが思い出せないが、ある映画の事を話し始めた。

「あのさーミア・ファローと言えばさ、あれだよ、あれなんだっけ?探偵を雇って追うヤツ」
「あのパリかなんかを探偵がさ、ずっとずっと追い回すヤツだよな?なんだっけなぁ。」
「それ『フォロー・ミー』じゃないっすか?」
「そう!それ!よく知ってるねぇ!あれさ、ビデオもDVDも探したけどないのよぉ、あれいいわー」
「『フォロー・ミー』はキャロルリードの遺作ですよ、『第三の男』の人っす、オレもめちゃ好きなんっすよ」

基本的に映画の会話はこうだ。店主が映画の内容を話し、そのタイトルをぼくが言うという感じだ。店主はアメリカに強い憧れを持ち、アメリカで雑貨を買い付け、それを輸入する仕事をしていたようだ。だからアメリカ映画に詳しかった。

店は14時に一回閉まる、その間もぼくは店に居続け、店に置いてあるおもちゃのところを眺めた。アメコミは無造作に積まれ、フィギュアも陳列されてるわけではないのだが、お宝が眠っている。特に『ピーウィーの大冒険』のフィギュアには感動した。

「この人、子供向けの番組出てたんだけど、ポルノ映画館でさ、、、」
「知ってますよ、オナニーしてとっ捕まったんっすよね?」
「そうそう!ガハハハ!」

店の店主は下ネタもさらっと言う素敵な人だった。なんつっても『グラン・トリノ』の話をした時は、

「あの映画っておまんこ野郎ってたくさん出て来たんだよ!もうなんたらおまんこ野郎!おまんこ野郎の連発!!」

と、あんたがおまんこ連発してどうすんだよ!って感じだった。

ディズニーの『ファンタジア』のミッキーのフィギュアが並んでたので、『ファンタジア』の話もした。すごく好きらしい。ぼくもディズニーでは一番好きなアニメだ。魔法使いのミッキーが好きらしくて、

「とっておきのお宝があるんだよ?見たい?」と言われたから。
「見たい!!」

つって、おもむろにお客さんが座るイスを持ち上げる。すると、それがケースのようなものになっていて、出て来たのが、木彫りのミッキー。アメリカで限定1000個で売られた物らしく、とてもかわいかった。

なんていろんな話をしていたら、16時半になり、店主も「よろっと買い物とか仕込みとかするわぁ」と言って、ぼくも帰る事にした。思わず長居してしまい、コーヒーも紅茶もごちそうになったが、帰る頃には肌寒くなっていて、ポロシャツで来た事を本気で後悔してしまった。

アメリカの雑貨に囲まれながら激安のビーフカレーが食べられるアナハイマーキッチン。是非行ってみる事をおすすめする。あういぇ。

詳しい場所などはこちら↓
http://r.tabelog.com/niigata/A1501/A150101/15002306/