ダウンタウンがストーンズならば、ウンナンはビートルズである。

女優の桜井幸子、芸能活動から突然の引退を発表 | ORICON NEWS

女優の桜井幸子が引退するらしい。正直ビックリした。何故ビックリしたかというと、奇しくもこないだ発売されたばっかりの『ウッチャンナンチャンのやるやらフォーエバー』に桜井幸子が出ていたからで、同じようにこのDVDを買った人はリアルタイムだなぁと思ったんじゃないだろうか。

『やるやらフォーエバー』は『ウッチャンナンチャンやるならやらねば』とその前進番組である『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば』の名物コーナーやコントを収録したDVDである。友人が買ったので、それを見させてもらったのだが、いや!これはかなりすごい!!

『やるやら』はリアルタイムで見てたわけだが、覚えてないところもあったし『誰かがやらねば』はまったく見たことがなかったので、かなり楽しめた。

丁度バブリーな時期の番組だけあって、金のかけ方がハンパじゃなく、ウッチャンの映画的嗜好が全面に出された映画パロディコントはフィルムを使って、カット割りもしっかりしていて、笑いのテクニックうんぬんよりも、番組としてまず感動する。刑事の殉職コントはナンチャンとの掛け合いも素晴らしく、ドリームマッチで披露された松本人志とのコントはこれが原点になっていて、確かに“伝説のコント番組”と銘打たれたのも良く分かる内容となっている。

特にウッチャンがジャッキーやブルース・リー、バスターキートンのパロディをするコントは喜劇をうまく混ぜ込んであって、最高におもしろいし、特にコケる男はウィキペディアでも指摘されてたように、現段階の体を使ったコントでは最高峰なんじゃないかなぁと思うくらいで、ダウンタウンが目指したものとはまったく方向性が違っていて、そういう意味でもおもしろかった。

このDVDを見て思ったのは、ウッチャンとナンチャンの両者のスキルの高さだ。両者ともにツッコミがまずうまい。間もスピードも切れ味も両者共にある。コントのキャラ設定に関してもウッチャンは憑位芸人として評価がバツグンに高いが、そう言った意味ではナンチャンも負けてはいないと思う。特に女装コントに関して言えばナンチャンの右に出る者はいないんじゃないだろうか。

番組自体もアイドルや女優、俳優をうまく使っていて、これぞ万人受けしやすいコント番組だ!と感動した。

ぼくは『夢で逢えたら』はギリ世代じゃなくて(後にいとこが録画してたビデオで鑑賞した)、『ごっつ』と『やるやら』になるわけだが、あの頃はゴールデンでドリフも2時間やっていたし、『元気が出るテレビ』もやってたし、伝説のウンナン司会の『裏番組をぶっとばせ!』も見てたので、テレビのバラエティに関しては恵まれてたんじゃないかなぁと今更ながらに思う。だから若い子達が「お笑い大好きなんですぅ」というテンションとはちょっと違う感じでぼくはバラエティ番組が好きなのだ。ただ、映画や音楽と違ってテレビは完全な形でソフト化することがなく、なかなか昔のおもしろい番組を見ることが出来ない。

最近、ずっと昔のバラエティ番組を観ていた。こないだも『一人ごっつ』のDVDをまた観て、「たった一人で『ごっつええ感じ』の笑いまで持って行ってるのはすごいなぁ」と感心したもんだ。マネキンコントやピー助なんかはホントに行く所まで行ってる気もした。

というわけで、お笑いのDVDがたくさん出てるわけだが、そろそろ、『一人ごっつ』もセレクションではなく、全編発売して欲しいし、あといろいろ諸事情あると思うがなんとしても『夢で逢えたら』のDVDも出してほしいところだ。

話を戻そう。桜井幸子とは関係なくなったが、こうやって改めて観るとウンナンはもっともっと評価されてもいいコンビだと思う。音楽に例えれば、南部に目を向けて、ブルースに根付いた音楽でかっこ良さを追及したのがダウンタウンで、キャッチーなメロを元に、古今東西ありとあらゆる音楽を取り込んで、ポピュラリティーを得たのがウンナンなんだろう、あういぇ。

【追記】
なんか、Amazonにこんなのあったんだけど、http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000GG4874/

これは何だ??