THE BAND HAS NO NAMEというバンドが大好きなのだが、「名前のないバンド」というだけあって、今ひとつ知名度がない気がする。
1989年結成。90年に『THE BAND HAS NO NAME』という6曲入りのミニアルバムをアメリカでレコーディングし、同年に解散。アルバムも廃盤になり、長らく幻とされていたが、2005年にしれーっと夏季限定で再結成。二枚目のミニアルバム『II(ツー)』を発売し、それに収録されてる『Mistake』はアニメ版『ハチミツとクローバー』のエンディングテーマになった。
ボーカルは様々なユニットを組んだり、アーティストをプロデュースしたりして、ミリオンヒットも連発している“あの人”なわけだが、ぼくとしては彼が関わった仕事の中でも群を抜いてると思う。
一枚目の時は若いのに渋い音を疾走感溢れる演奏で激しく鳴らすというイメージで、それはそれでかっこいいのだけれど、それを15年後にやったら、声や演奏にも渋みが出て、良い味わいになったというバンドになったなぁという印象。
特に『II』はサウンドも演奏も日本の規格外で、骨太な大人のロックンロールが30分という短さの中にギュウギュウに押し込められている。とても限定で再結成したとは思えないこだわりのアルバムで、もう5年前のアルバムだけど、ぼくのiPodには常に入っており、未だにメインで聞いたりしている。
サウンドは骨太で直球なんだけど、その分、楽曲はちょっと捻ってあって、その隠し味のおかげで飽きずに聞けてるのかなぁとか思ったりしている。『II』には一枚目に収録されてる楽曲を再録してるので、新曲は4曲しか入ってないが、その再録した演奏があまりにかっこいいので、別物として聞いてる。
というわけで、プレデターズやNothing's Carved In Stoneのように本妻が居ての愛人バンドなんだけど、それが本妻よりもかっこいいという奇跡的なバンドの1つなので、是非、どっかの機会でまた再結成してほしいと思っている。近年の再結成ブームにあやかって――――と言いたいところなのだが、そのボーカルの人が在籍している本妻のバンドがこないだ再結成したから、たぶんもう復活はないでしょう。残念だ。
というか、THE BAND HAS NO NAME知ってますよ!聞いてますよ!好きですよ!って人はどのくらいいるのだろうか。

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