震災後アルバム100枚以上聴きました。

最近は映画のエントリを立て続けにあげてましたが、ホントに震災以降の一ヶ月は音楽しか聞いておらず、まったく映画を観る気になりませんでした。Twitterでもそんなことばかりつぶやいていたし、エントリも音楽系のを散りばめたりしてました。

おかげで「お前の音楽の趣味は悪い!底が浅いんだよ!」と暗黒皇帝にディスられる運びと相成りましたが、その次期にだけで聞いたアルバムは100を越えました。新潟はレンタルCDが130円だし、音楽好きの知り合いも各方面にたくさんいるんで、その人たちからいろいろ借りたりして、ホントに山ほど聴いてたんで、その中からぼくが非常に感銘を受けたアルバムを箸休め的に紹介したいと思います。

参考にしたのは宝島社から出てる「ROCK名盤入門1956〜1980」という本で、これに載ってる名盤と言われるものを中心に聴いてたので、結果的には有名なアルバムばかりになってます。軽いディスクガイドにしていただければなと。


フリートウッド・マックピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック

本来はセルフタイトルだったんだけど、後発で同じタイトルのアルバムが出て、それと区別するためにタイトルが変更になったというフリートウッド・マックのファースト。いわゆる名盤扱いなのは『ミスター・ワンダフル』とか『嘘』なんだろうけど、逆に言えばぼくはファースト以外がそんなにピンと来てないくらいで、これはツボにジャストフィット。だからフリートウッド・マックというか、このアルバムが好きという感じ。全曲捨て曲なしのこってこてのブルースアルバムで、これ一枚あったらブルースはいらないだろってくらいにバラエティに富んでる。クラプトンもブルースやってるけど、ここまで徹底して突き詰めたのを聴いたことがなく、その潔さ良し。いわゆるデルタブルースであるとかシカゴブルースと呼ばれるものよりも、UKのフィルターを通すことによって聴きやすくなってる。ブルースの入門書としてもいいのではないだろうか。


グランド・ファンク・レイルロード「グランド・ファンク」

Grand Funk

Grand Funk

小難しいUKハードロックとは真逆のシンプル・イズ・ベストなロックンロールアルバム。いわゆるハードロックの部類に入るんだろうけど、ぼくが聴いた感じだとフェイセズにも通じるようなルーズなロックンロール。肉喰って、バドワイザー飲んで、イエー!って言いながら作ったみたいなド直球のアルバムで、演奏のテンションもかなり高め。一応このアルバムを選んだけど、グランド・ファンク・レイルロードに関してはベストアルバムで充分かと。SMAPが出演したソフトバンクのCMでかかる“ロコ・モーション”も彼らのカバーによるもので、それと“ハートブレイカー”、“タイム・マシーン”がとても好き。


ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス「エレクトリック・レディランド」

Electric Ladyland (Bonus Dvd) (Dig)

Electric Ladyland (Bonus Dvd) (Dig)

正直、ジミヘンは10年前に初めて聴いて、その時は魅力がよく分からなかったんだけど、“クロスタウン・トラフィック”と“見張り塔からずっと”のカバーはオールタイムベスト級に好きで、その二曲がおさめられたアルバムということだけで聴いた。いやぁこれはぶっ飛んだ。ソウル、ジャズ、ファンク、レゲエ、サイケを飲み込んだジミヘン流ハード・ロックで、ディスクガイドには「宇宙的なヘンドリックス」と評されていたが、まさに宇宙的なサウンドがLとRから繰り広げられている。5.1で聴いたらいろんな意味で陶酔すること必至。個人的には“ハウス・バーニング・ダウン”という曲がかなりおすすめ。


マイ・ブラッディ・バレンタイン「ラブレス」

Loveless

Loveless

好事家にとっては今更の感がある名盤中の名盤だろうが、ご多分に漏れずぼくもかなりの衝撃を受けた。一時シューゲイザーに少しハマっていて、コクトー・ツインズ、ラッシュ、ペイル・セインツ、ライド、スロウ・ダイブなどなど聴いたんだけど、やっぱりこれを越えるアルバムには出会わなかった。轟音のギターのスキマを縫うように漂うキレイなメロディ、たったこれだけのことなのに、この方法論が世界のバンドにどれほど影響を与えただろう。そもそもマイブラシューゲイザーに分類するのはどうなんだという話もあるが、それとは関係なく単純にすさまじいアルバムで、間違いなくレディオヘッドもこのバンドの影響が大。


シルヴァーサン・ピックアップス「スウーン」

Swoon (Dig)

Swoon (Dig)

ウィキペディアシューゲイザーの項目にバンド名が書いてあり、文面に新世代のスマッシング・パンプキンズと書いてあったことから聴いてみたのだが、これがジャストフィット。シューゲイザーとはまったく違うが、90年代のオルタナを一気に凝縮しており、ソニック・ユースマイブラスマパンピクシーズなどと比較されるというのはとてもよく分かる。音像で言えばスマパンからの影響が大だが、リズム隊が特殊でどちらかというと演奏重視という感じ。ところがそれなりにメロも際立ってるため、邦楽しか聴かないという人もイケるのではないだろうか。個人的には4回ほど聴いたのだけれど、未だにどれがどの曲か覚えられない……でも、何回も聴いてしまうくらい魅力的なのだ。


アーソニスツ・ゲット・オール・ザ・ガールズ「ザ・ゲーム・オブ・ライフ」

Game of Life

Game of Life

ジャンル分けするならオルタナティブ・メタルになるんだろうが、デスボイスにマシンガンのようなバスドラ、5弦と6弦がデロデロ鳴る激しい演奏ということで、聴く人によっては騒音でしかないだろうが、これがすさまじくかっこいい。この手の音楽は苦手だったのだが、マキシマム ザ ホルモンからシステム・オブ・ア・ダウンに行って、その流れでこのバンドにたどり着いた。全曲スピードが早く、プログレのごとく一曲の間にコロコロと曲調が変わり、ブレイクも頻繁にあり、さらには曲間がとても短いので、いつ次の曲になったか分からないというのが弱点で、さらに曲の違いがよく分からないのだが、裏を返せばアルバム一枚が一曲のような突っ走り方で、あっという間に聴けてしまうのである。ジャケットがかわいいという理由で2枚目をあげたが、このバンドは良い意味で音楽性がちっとも変わってないので、どのアルバムから聴いても問題ない。ぼくは音楽に関しては作品重視で、あまりこのバンドが好きだ!と胸張っていえるバンドはそこまで居ないのだが、これは好きなバンドだと言える。

というわけで、かなりジャンルも時代もバラバラだが、是非アンテナに引っかかったら聴いてみてもいいんではないでしょうか。あういぇ。

ROCK“名盤”入門!―1956~1980 (別冊宝島 (873))

ROCK“名盤”入門!―1956~1980 (別冊宝島 (873))