誰が言い出したのかは分からないが、ぼくがその言葉を耳にしたのは恐らくモー娘。が大ブレイクしていた時だろう。
ぶっちゃけ、何でアイドルの寿命が5年と言われているのかその時は分からなかった。売れて知名度が上がったら5年間はその人気が持続とか、そんな感じに捉えていたのだろうが、まぁブームというのは往々にして過ぎ去って行くものだし、どんなに新鮮なアイデアや楽曲の変化があったとしても飽きられてしまうとかそういう意味合いがあるのかと思った。
ところがである。こないだAKB48の初期PV集「逃した魚たち」を見て、その言葉に別な意味合いも含まれているということを知ってしまった。
どういうことかというと、メンバーが今よりも段違いにかわいいのである。
かわいいというよりはかわいらしい、幼い、スレてないという言い方のほうが正しいだろうか。実は浜田に似ていてかわいくないと言われてる前田敦子も初期の頃はホントにめちゃくちゃかわいいのである。そりゃセンターに抜擢されるわけだ。
だからと言って最初から彼女たちはかわいかったわけではなく、インディーズの頃はそりゃヒドいもので、パブリックイメージとして言われている「AKBにはかわいい娘がいない」というのはここから来ているんだろうなというくらいであり、リーダーである高橋みなみ自ら「最初のCDのジャケはみんなブサイクに写っている」と語っている通り、目を引くような娘は皆無で、まだ秋元康プロデュースのブランドのみが先行している感じであった。
だが、メジャーデビューが決まり出した『会いたかった』くらいから、各メンバーが少しばかり垢抜けてきて、その後は全員がその個性やかわいさをいかんなく発揮し始める。特に選抜メンバーが少ない『夕陽を見ているか?』のPVはその魅力を十二分に引き出した最高傑作だと断言してもいい。
つまり、アイドルにも、アイドルとしてのかわいさを発揮出来る「旬」というものがあり、それがすぎてしまうと、その魅力は激減してしまうということなのだ。
AKBは「大声ダイヤモンド」から段違いに売り上げが変わり、ここでブレイクしたと言われてはいるものの、実際国民的アイドルと評されるようになったのは2010年『ポニーテールとシュシュ』リリースくらいからであり、この頃すでに結成5年目、インディーズデビュー4年目であった。
なんと、すでに彼女たちは大ブレイクした時点で5年のキャリアを誇っていたのだ。
過去の番組などと比較すれば分かるが、いくら若いとはいえ、結成5年目にして時間に追われる彼女たちは明らかに疲れている。前田敦子は「情熱大陸」を見れば明らかだが、まだブレイク前に出演していた「ネ申テレビ」の一回目は今とは比べ物にならないほど元気だし、板野友美は今の「斜に構えてる」イメージからは想像もつかないほどキャッキャ騒いでいたりする。他のメンバーも同様で、PV集のメイキングのテンションと今のテンションは明らかに違う。メインのメンバーは10代後半から20代と飛び切りの若さではあるが、いろんなところで劣化されてると言われるように、アイドルとしての旬は過ぎはじめているのだ。妹分のSKE48のCDが売り上げ40万枚を越えているというが、それもアイドルとしての魅力がここに来て爆発しはじめている証拠なのではないか。
というわけで、年齢を重ねることでその魅力が増して行ってるメンバーもいるかもしれないが、団体として5年も活動しているAKB48はそういった意味でよろっと寿命が来ていると言える。よく「今年がピークだ」と揶揄されているが、実際下の世代から前田敦子に匹敵する人を発掘しないとホントに来年あたりで急速にブームは去り、消えてしまうかもしれない。そう言った意味で改めてアイドルの寿命が5年というのを初期のPV集を見て思い知った次第である、それにしてもAV女優しかり、旬やピークが短すぎる商売というのは酷なものだなぁ、あういぇ。
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