- アーティスト: KELUN
- 出版社/メーカー: SME Records
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: CD
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彼女は『銀魂』というマンガのファンで、このアニメの主題歌を歌ってるのがKELUNというバンド。んで、車の中で聞かせてもらったのだけれど、声がどっかで聞いた事あるなと思ってたら、KELUNのボーカルはなんとあのP2Hのボーカルの新しいバンドだった。彼女もP2Hは大好きで、その後のUTARIというバンドは聞いてなかったのだれど、『銀魂』の主題歌が恐ろしくかっこいいと思ってCDを買って、んで、声に聞き覚えがあると思って、ネットでKELUNを調べたら、P2Hのボーカルだと知ったらしい。
ここでP2Hについて言わなければいけないが、P2Hは元々PICK 2 HANDという名前で、途中でP2Hという風に改名した。
音楽的にはBUMPやASIAN KUNG-FU GENERATION、レミオロメン、藍坊主、GOING UNDER GROUNDとかと同じくくりだと思うが、個人的にP2Hは洋楽にも負けない音像でとてもかっこいいと思っていた。
知ったのは新潟の雑誌の特集。ボーカルのインタビューが載ってて、フェイバリットがスマパンとニルヴァーナと語っていて、当時私はスマパンに狂っていたので、それをフェイバリットに挙げるアーティストという事でずっと聞きたいと思っていた。グランジ直撃世代でさらにインディ盤はXのYOSHIKIに見出された形で出している。
んで、ずっと頭の片隅にあって、初めて音を聞いたのは、新潟のバンドとの対バン。すげぇかっこよくて、まさにグランジそのものという音像。激しいパフォーマンスと卓越した演奏力。まさに圧巻だった。ライブ終わりで私はボーカルの人とグランジが好きだとかどーのこーのという話をした。
でもCDは買わなくて(笑)その後に音楽と髭に出た時に放送した2曲でぶっとんだ。それが『リトルダンサー』という曲と『Evening Star』だった。
『リトルダンサー』は今までP2Hというとグランジっぽい、それこそスマパンっぽい印象があって、それが『コメツブ』とか『赤と情景』とかだったんだけど、その後に出したアルバムの1曲目である『リトルダンサー』で一気に音が変わった。BUMPなどのブレイクの影響もあっただろうが、元々下地がグランジだったために、音のシャープさや迫力はBUMPとは比べ物にならないカッコ良さがあった。サビメロは若干弱いがイントロ→Aメロまでは完璧。失恋がテーマだが、ここまでカッコ良い音像で失恋を包んだ楽曲を私は他に知らない。
『Evening Star』は一度聞いたら忘れない美メロ、グランジを基調にしたギターロックの音、スタジオミュージシャン並みのリズム隊の凄さでなぜこのバンドがBUMPなどに埋もれてるのか理解出来なかった。世間的にも『Evening Star』は最高傑作と呼ばれてるかもしれない。
んで、なんだかんだしてたら解散していて(汗)ベスト盤を購入した。1番すげぇと思ったのは『鳥類進化論』という曲。完成度、音の作り方、すべてが比類無い。これがアルバムの曲というのも驚きだが、エフェクター1発でディストーションに切り替わるイントロからの流れは、P2Hでもよくある曲展開だが、この曲が1番かっこいい。
P2Hはボーカルの児島亮介が歌っていく事に疑問を感じて、辞めたいと言い出して解散したと言われている。P2Hのボーカル以外は新ボーカルを入れてBRIT BANQUETというバンドを作り、結局児島亮介もソロプロジェクトとしてUTARIという名義で活動。UTARIは友人から借りてたのだけれど、全然聞いてなくて、んで、調べたら、同じアルバムを名前変えただけらしくて、KELUNはUTARIとメンバーは変わってなくて、改名して、そのまんまメジャーデビューした。スリーピースのロックバンドである。
さて、そのKELUNだが、P2Hが再び帰って来たという感じだ。スリーピースを感じさせないギター(元々、ギターも弾けるギターボーカルだったし)リズム隊はP2H同様、激しく上手い。特にベースが恐ろしく上手い。『SIGNAL』のベースはうねりすぎてるくらいうねっていて、1本のギターを見事に援護射撃している。
個人的に気に入ったのは『シュナ』という曲。完全にP2H時代の『Gradation Sky』を彷彿とさせる。イントロのアルペジオから、怒濤のディストーション、手数が多いAメロのドラム、突き抜けていくようなBメロのメロディ、疾走感溢れるサビメロ、ついに児島亮介が戻って来た。特にBメロからの流れは完全に『Gradation Sky』と似ている。
『銀魂』の主題歌をやってると書いたが『BLEACH』の主題歌もやるらしい。いきなりKELUNになってから注目度がアップしたように思うが、KELUNの事は密かにこれから応援していこうと思うのであった。あとBRIT BANQUETも聞きたいなぁ。あういぇ。