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↑>これで同性愛描写など、原作と同じビザール感を色濃く描けば

- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/02/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/02/01
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ぼくが、手塚治虫のマンガは狂ってるところが好きとか言うと、「え!?そうなの?そんなイメージないけどなぁ」と返される事が多々あった。手塚治虫という名前は知ってるのだけれど、マンガをちゃんと読み込んでるという若い人って今はそんなに居ないのかもしれない。
手塚治虫は『来るべき世界』という初期の子供向けマンガでレイプのメタファーを盛り込むなど、ちょっと危険な匂いのするマンガを書き続けた巨匠である。『奇子』や『人間昆虫記』などセックスをテーマにしたようなマンガもある。
その中でも『MW』は禁断の問題作と銘打たれてるだけあって、すさまじい内容のマンガだ。大虐殺あり、男色あり、セックスありと手塚治虫の中でもかなりダークサイドが発揮された作品で、主人公の結城は復讐という動機はあるものの、己の欲を満たすという事はなく、『ダークナイト』のジョーカーのように人間の本性を暴いていく。しかも『ダークナイト』と違い、暴いたり、試したりした後で、残虐に殺し、最終的にやりたい事は地球上の人間を全員殺す事という極悪なキャラクターである。
『MW』には賀来という神父が出て来る。このキャラクターがすこぶる魅力的で、複雑極まりない関係性なのだ。
ある島に観光にきた賀来は結城の親を半殺しにし、そのまま幼い結城を洞窟に連れていき、ナオンよりも可愛いなぁと、変な感情を抱く。そしたらそこにMWというウイルスが撒かれてしまい、MWというウイルス自体を無かった事にしたかった国家は、なんと軍隊を使って島民を虐殺する。そんな中なんとか結城を救った賀来だが、結城はウイルスの影響で良心やモラルが失われてしまう。結城は殺人とレイプを繰り返し、悪の限りを尽くすが、賀来は神に仕えながらも、結城を止められない。何故なら、賀来と結城は肉体関係があり、恋愛感情は一切無いものの、セックスによる誘惑に負けてしまうからだ。
『MW』で重要なファクターはずばりここだ。唯一、結城を止められるかもしれない賀来というキャラが、殺人や犯罪に加担せざるを得ない状況であるという事、しかもそれが金や脅迫ではなく、セックスによるものだというところがすんげーのである。しかも悪魔と神の関係性にもなぞらえてあるところがいかにも手塚治虫らしい。
映画はPG-12指定であり、当然、そういう要素は無くなっているんだろうと予想はしていた。それが無いという事は作品のテーマそのものが無くなっているという事になる。そんなもの『MW』じゃないじゃん!!なんだそれ!
24日朝
EDWINと大友克洋のコラボジーンズが新発田のアメリカ屋にあるという情報を得たので、見に行ったのだが、2タイプあって、ぼくの欲しい方だけ無かった。ファック!!ただ、全然売れなかったらしく、20000円の物が5000円になってた。あういぇ。