最近ザ・フーばっかり聴いてたんですよ。
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今まで夜はブルーレイをアテに焼酎だったのですが、今ではザ・フーを聴くか、テレビ観てるかしかしてません。『進撃の巨人』の6巻妹が買って来てくれたのに読んでないや、まいったな。
元来ビートルズから洋楽に入ってるもんですから、メロディが際立ってないとロックバンドを聴けなかったんですよ。日本人の悪いくせが出てしまってました。フェイセズに出会ってからグルーヴ感でロックを聴くということを学びまして。こないだの「スコラ」でも言ってましたが「ロック」って「揺れる」っていう意味なんですって。つまり体を揺らす音楽ということなんですね。ノる音楽とでもいいましょうか、いわゆるひとつのダンスミュージックなわけですよ。ロッキンチェアーのロッキンは揺れるという意味なので揺れるイスということでロッキンチェアーなんです。ロックンロールは黒人の間でセックスの隠語だったらしいですが、確かにある意味で体は揺れています。地震の最中にセックスしてたら地震なのかセックスなのか分からなくなりますね。それはさておき。
ザ・フーは基本的にリズム隊に異様な特徴があるバンドだなと気付くわけです。リフものでもないし、歌ものでもないし、ルーツロックをやってるわけでもない。いや、リフが際立ってる曲もありますが、「バーゲン」なんかを聴くと、ギターはわりかし隙間が空いていて、その間を稲妻のようなフィルで切り込んで来るドラムとうねるベースラインが駆け抜けていきます。
なんてかっこいい曲なんだ……
んで、ザ・フーばっかり聴いてたら、おもしろいことに気付いたんです。BUMP OF CHICKENの『リリィ』がすごくザ・フーっぽいんですよ。
隙間が空くようにジャラーンと弾くギターに、はずむハイハットを中心をした稲妻のようなフィル。どの曲という断定は出来ないんですが、冒頭からずっと鳴り続けるアルペジオのフレーズなんかは「ババ・オライリー」のシンセを彷彿とさせますし、全体的なアレンジは先ほど紹介した「バーゲン」のようでもあります。この曲をパクろうという感じではなく、ザ・フーっぽいアレンジでやってみようとしたらオリジナルな曲になったという解釈でいいんじゃないでしょうか。
『リリィ』と言えば、ミッシェル・ガン・エレファントに同名の楽曲があります。これまたおもしろいんですが、この曲もものすごくザ・フーに似ているんですよ。
ミッシェルのボーカルであるチバユウスケがストーンズやザ・フーでロックンロールに目覚め、ドクター・フィールグッドで今の音楽性になったのは有名な話ですが、よく考えたら『バードメン』だってピート・タウンゼントの愛称だったり、『Odds & Sods』のジャケットのオマージュをしていたりと、その影響は大だということはここで書くまでもないでしょう。
それが証拠に『リリィ』のライブバージョンでこんなのを見つけました。
この出だし!ザ・フーの「キッズ・アー・オールライト」ですよ!!これで確信しましたよ!ええ!
BUMP OF CHICKENがなぜあの曲に『リリィ』というタイトルをつけたかは不明ですが、もし「ザ・フーっぽいことを今の日本でやろうとしてることに対するリスペクト」としてだったら、とてつもないメッセージだと思います。実際BUMP OF CHICKENはライブでの登場曲にザ・フーの「A Quick One While He's Away」を使っていたりしてますし。意識してないと言ったらウソになりますね。
まぁ、これはあくまで深読みですが、こういうことを妄想したりしながら音楽を聴くのはとても楽しいですよ。こういうことは言いたくないけど、やっぱり昔のものはいい。昔を知る、歴史を知るというのはとても重要なことだと思いました。
最近は『けいおん』でもキース・ムーンの名前が出て来るみたいですし、改めてザ・フーからのモッズリバイバルがこの日本でも起こると楽しいと思いますねぇ。
おまけ
どうですか!この「無法の世界」感!いや「ババ・オライリー」かな。改めて聴くとめちゃくちゃかっこいいですね。いかにハイロウズが過去のロックンロールを自分のものにしようとしていたかが分かります。