ディランからでんぱ組まで最近聴いた音楽

音楽熱が最高級に高まってるので音楽聴きまくってました。っていうか、映画観る気力が……


『ブリンギング・イット・オール・バック』『時代は変る』ボブ・ディラン

実はディランのプロテストソングにそこまで思い入れがなく(歌詞はすごいなと思ってるけど)、有名な恋人と写ってるジャケのヤツもそこまでグッと来ず、どっちかというとエレキに持ち替えてからの方がサウンド的には好きで、初期作品は聴いてなかったんだけど、ニールヤングが聴けるようになったので改めてちゃんと聴こうと思って聴いた。

正直『時代は変る』はぼくのあまり好きではない内省的なディランだったんだけど、いやー驚いたね『ブリンギング・イット・オール・バック』には!!

『追憶のハイウェイ』前だけどすでにバンド形態で曲がすべてキャッチーでポップ。ビートルズでいえば『サージェント』の前に『リボルバー』みたいな感じなんだけど、半分弾き語り、半分フォークロックでボブディランのいいとこどりじゃないかと思った。『リボルバー』に例えたけどサウンド的には『ラバーソウル』に近い。

ボブディランのアルバムでは『ブロンド・オン・ブロンド』が圧倒的にすごいなと思ったけど、個人的にはこっちが好み。おすすめ。

あと『時代が変る』に収録されてる“The Lonesome Death Of Hattie Carroll”って曲がかっこいいなと思って調べたら吉田拓郎の歌の元ネタになってることを知った。やっぱり影響をがっつし受けてるんだな。ちなみに歌詞はディランも拓朗も両方素晴らしかった。やっぱりディランは歌詞ありきじゃないとダメだから詩集買おうと思ったけど15000円……

時代は変る

時代は変る



『ザ・ベースメント・テープ』ボブ・ディランザ・バンド

鬼かっこいい。ディランのアルバムとしてもザバンドのアルバムとしても神。サウンドがやや荒削りなところも良い。バイク事故で思うように活動できなくなって鬱屈した気持ちを演奏にぶつけてる感じだ。レイドバックされたグルーヴと土臭さ。それでいて攻撃的。しかも歌モノ。たまらん。これなんだよオレが音楽に求めてるものは。ルーツミュージックそのものではなくて、ほどよく昇華されてるのが良いのだ。いやぁびっくらこいたぜディランよ。




『ロングプレイヤー』『ウーララ』フェイセズ

フェイセズは『馬の耳に念仏』がオールタイムベストに入れるくらい好きで、そのいきおいで買ったんだけど、一回聴いてその辺に放り投げてて、なんでだろうと改めて聴いた。前者はB級ストーンズと揶揄されるのもよくわかる感じで、なるほど、そりゃ一回聴いたら放り投げるわって感じだったんだけど、後者はその『念仏』に通ずるルーズなロックンロール満載でかっこよかった。ちょうど車に乗りながら聴いてたからよかったのかも。

ウー・ラ・ラ

ウー・ラ・ラ



トラフィックトラフィック

ファンキーでサイケでフリージャズのように鍵盤が暴れまわる。それでいてアメリカンで歌モノ。ソングライターがふたりいるから妙なバランスになるんだろうな。

Traffic

Traffic



ティーンエイジ・シンフォニーズ・トゥ・ゴッド』ヴェルベット・クラッシュ

パワーポップといわれてて、もろ一曲目とかそうなんだけど、アメリカンな心もしっかり入ってて、ハードロックからフェイセズばりのルーズなロックンロール、ビートルズ的ストリングスバラードやザ・バーズ的フォークロック、ストーンズなリフものなどヴィンテージロック好きにはたまらないネタを取り込む。こういうの聴くと嬉しくなる。傑作。



『カインド・オブ・ブルー(アナログ)』マイルス・デイビス

死ぬまでにやりたいことのひとつに「アナログでビートルズを聴く」というのがあって、ハードオフをまわってアナログ盤をちょこちょこ買ってるんだけど、音数の少ないものがアナログには合うということでジャズの中でも名盤中の名盤を購入。元々好きなアルバムだったんだけど、正直、音すごく良いですよ。音数が多く、歪んだ音がメインのロックとかになると明らかにCDで聴いたほうがいいなと思うんだけど(ツェッペリンとか)、この手のものはアナログでも聴きたくなる。

Kind of Blue, Mono and Stereo Versions

Kind of Blue, Mono and Stereo Versions



『バック・トゥ・ジ・エッグ(アナログ)』ウィングス
キャリアのなかでも失敗作といわれていて、人気がないのかAmazonではすべてのバージョンに妙なプレミアがついている。そのくせ高評価のレビューが並んでいて興味があったんだけど、アナログ盤を500円で見つけて購入した。パンク/ニューウェーブ前夜ということでアレンジにややその影響が見え隠れ。デキシーランドスタイルや組曲風などポール流に昇華してるが、さすがにこれを「ポールの全仕事の中で最高傑作」「ポール流のサージェント/アビィロード」は言い過ぎではないかと。だからといって酷評するレベルではなく、懐古主義の評論家とAmazonレビューはやっぱり信用できない。

バック・トゥ・ジ・エッグ

バック・トゥ・ジ・エッグ



『たくろうLIVE'73(アナログ)』吉田拓郎

無茶苦茶かっこいい。ファンクにアレンジされた「マークII」もさることながら、ザ・バンドのような「都万の秋」と「むなしさがあった」からの「落陽」の流れがやばい。B面は黒人チックな「こうき心'73」「晩餐」のかっこよさにやられる。特に「こうき心」は原曲を知ってるとその変化ぶりに驚くのではないか。ラストの「望みを捨てろ」は家族を守るために望み(夢)を捨てろと歌っていて圧巻。絶望の歌だ。

LIVE’73

LIVE’73



『WORLD WIDE DEMPA』でんぱ組.inc

二枚目のアルバムにしてベスト盤のような選曲。「全員があ〜りんのももクロ」とは妹の評だが、それもそのはずで編曲にヒャダインが関わっている。アジカンの『君繋』のようにBPM高めの楽曲がずらりで最初から最後まで突っ走る。ビースティ・ボーイズオザケンのカバーも収録され、そっち方面の人たちにもおすすめ。個人的にはストリングスを使ったギターロック“キラキラチューン”が気に入った。最初はイラっとするが耳に残ってしまう“Future Diver”は最近のヘビロテ。

WORLD WIDE DEMPA 通常盤

WORLD WIDE DEMPA 通常盤