「いいともグランドフィナーレ」について雑記


いまさらだが「いいとも」のグランドフィナーレについて書く。やはり書かずにはいられない。

いいともはグランドフィナーレに向けて大きな話題を世間にふりまいていた。

とんねるずのテレホン最長記録にレギュラー出演。オザケンの16年振りのテレビ出演。安倍総理の出演。そして最終回でのBIG3共演(とはいえひとりは電話での出演だったが)……ネットのニュースにもたびたびあがっていたが、主にテレホンショッキングのことがメインであり、それ以外はいいともであり続けようとしていた。前にタモリ総合司会の27時間テレビでいいともの歴史については語り尽くされた感もあったし「何か特別なことを」ということと「今まで通りのいいとも」という絶妙なバランスと取るためにはこうするしかなかったのだろう。

しかしグランドフィナーレではそれらのニュースがすべて前フリになるような歴史的な事件が起きた。サプライズ的だったとはいえ。

何が起きたのかはニュースにもなったしさんざん語り尽くされた感があるので割愛させてもらうが、ちょっと酩酊状態で観たこともあってか、初見では何が何だか分からず、ただ単にカオスな状態を垂れ流してるだけじゃないかとは思った。もちろん驚いたし興奮はしたけれども。

しかし翌日になって冷静に見たところ。情報量が多く、同時多発的に様々な「事件」が起きていたので、リアルタイムでこれをしっかり楽しむことは不可能だろうと思った。そしてそのあと何度観ても飽きのこないほどレイヤーが厚かった。

なんといっても驚いたのは松本人志の「とんねるずが来るとネットが荒れるから」発言だ。お笑いアベンジャーズが揃ったのはハッキリいえばこれがきっかけだからである。

その後、いろんなところに波及していったが、松本自身は「ワイドナショー」にて「(とんねるずが来たらネットが荒れるからと言ったことについて)なんかこそばゆいからね。気持ち悪いから。性格的にみんながボンヤリ思ってることが気持ち悪いから(とんねるずと共演してないという事実)。まぁでもそうなる(とんねるずの乱入)可能性はあるやろなぁとはおもてたよ」と発言しており、ある意味確信犯的にいったことがわかるが、それに応えて当初予定のなかったとんねるずが乱入してくるということがそもそもすごかった。その一言に何が込められていたのか?松本はどうしてほしかったのか?すべて汲み取りそれに応えたとんねるずの大きさ。客席にいたタカトシのタカがすげー!と興奮した表情が隅のほうで写るが、それがすべてを物語っている。

CM中に石橋貴明松本人志が壇上でボソボソっと会話をしたらしく、それを客席から見ていた中居正広は「あーしゃべってるー!」と思ったらしく「HEY×3」に出た際「何をしゃべったんですか?」と質問し、松本はそれをはぐらかしたが、何を喋ったかは「ナイナイのオールナイトニッポン」にて矢部の口から語られた。「松本がネットが荒れるっていって、調べたらキーマンは石橋だって書いてあったから出てきちゃったんだよー」と声をかけたらしい。それにたいし松本は「すんません、すんません」と照れたようにいったとか。

「ありえない」共演に舞台裏では各事務所の怒号が飛び交っていたらしいが、とんねるずが乱入を決めて実行できたのも石橋貴明自身が事務所の社長であり、爆笑問題の先輩だからこそできたことだ。舞台にあがるとき「これから笑いをとりにいく顔とは思えない」というほど緊張していた石橋。爆笑問題が出てきた瞬間「すごいねー、これプロレス?」とつぶやいたタモリ。一番声を張り上げて場をリードする松本。一見よーわからんボケに見え、いいつなぎとしてリズムを作る木梨。カオスになった瞬間さっと身を引くウンナン。なんとか仕切ろうとする爆笑田中とあいかわらずの太田。さんまとパターンを作る浜田。なんの打ち合わせもないのに見事にその場での笑いを作り上げていく。一瞬一瞬すべてに熱くなり、感動した。もはや笑うという状態ではなかった。

なんやかんやで演者は総じて「ドキドキしたし楽しかった」というような発言をしており、それができたのもタモリがいたから。いいともがあったからであるといえるが、まぁこんなこと二度とないだろうし、あったとしてもこの感動をこえることはできないだろう。

というわけで、なんだかまとまらない感想になってしまったが、こういうことがあるからテレビを見るのをやめられない。とにかくテレビを、そしていいともを見続けてきてよかったと思えた瞬間だった。ありがとういいとも。そしてタモさんおつかれさまでした。