監督不行届

監督不行届 (Feelコミックス)

監督不行届 (Feelコミックス)

安野モヨコの『監督不行届』を読む。庵野秀明安野モヨコの結婚生活を描いたエッセイ的なマンガ。庵野秀明はマンガの中でカントクくんというキャラになっていて、日本の4大オタクと称されてる。安野モヨコもオタクの気質があったのだけれど、オタクとは一切付き合わなかったようだ。

いやぁ、このマンガ。無茶苦茶おもしろいよ。もちろん庵野秀明という人がどういう作品を撮っていて、どういう人物なのか?っていうのを知ってないと楽しめないけども、私、こういう本とか好きなんですよ『ブスの瞳に恋してる』とか『爆笑!夫婦問題』とか、でも、その中では1番いい。3回も読んでしまった。

まず庵野秀明が筋金入りのオタクで、奥さんもそれにどんどん染まっていくというのがおもしろい。この場合のオタクというのは、今の萌えー的なもんとはちょっと定義が違う。んで、巻末に庵野秀明自身がオタクっていうのはどういうものか?というのを語ってるんだけど。

内向的でコミュニケーション不全、つまり他者との距離感が適所につかめないとか、自己の情報量や知識量がアイデンティティを支えてるとか、執着心がすごいとか、独善的で自己保全のため排泄的だとか、会話が一方的で自分の話しか出来ないとか、自意識過剰で自分の尺度でしか物事をはかれないとか、ナルシスト好きだとか、なりきり好きであこがれの対象と同一化したがるとか、攻撃されると脆い等々、

これ、オレの事じゃねぇーか!(笑)

まず、自己の情報量や知識がアイデンティティを支えてるってわかるわー。だって、それを全部取ったら、オレには何が残るよ?ただの変態的な部分しか残らないじゃないか!会話が一方的とか、自分の尺度でしか物事をはかれないとかもそう。聞こえはいいけど、それは世間知らずだったり、常識はずれだったりする。

あこがれの対象と同一化したがるってのもそうだ。基本的に黒いスーツも『レザボア・ドッグス』を観てから買ったし、縁付きのメガネもリヴァース・クオモの影響。

攻撃されると脆いとか、全部マジで当てはまるっつーの!

もうね、自分のDVDドシドシ持って来るとか、すげぇ笑った。しかも『ガンダム』のBOXとか『新幹線大爆破』とか『空飛ぶゆうれい船』とか『どろろ』とか、いちいち出て来るアイテムがマジでおもしろい。しかもマンガの最後には用語集として、マンガの中に出て来る、そういう一般の人にはわからない用語も全部解説していて、読みごたえアリ。安野モヨコという人のマンガは初めて読んだのだが、こういうエッセイ的なマンガなら読みたいと思った。

にしても久しぶりにマンガを読んだのだが、まさか3回も読んでしまうとは思わなかった。つーわけで『監督不行届』にはすごく共感したし、めちゃくちゃ憧れたのでありました。

ちなみにここで1話と2話が読めますよ。あういぇ。