58歳のバットマンが頑張ります!

バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン(以下、『DK2』)』を全部読んだが————これ、おもしろいか?

なんか『ダークナイト・リターンズ』の影に惑わされてないか?Amazonでもすげー評価されてるけど、ハッキリ言ってオレは全然おもしろくなかったなぁ。『ダークナイト・リターンズ』が無茶苦茶おもしろいのはオレが言うまでもない。なんつったって、洋書で英語だから政治的なくだりはあまり理解してないけど、それでも最高でアメコミの革命になったのはホントに分かる。分かるが————『DK2』ねえ————しかも日本語版で全部訳されてるヤツだけど、それでもおもしろくなかった。オレはたまたまジュンク堂で在庫を見つけて定価で買ったからいいけど、これAmazonだと12000円〜14800円で売られてるんだよ!!!そんなに出す価値はハッキリ言って無いと思う。『ダークナイト・リターンズ』だったら、「まぁそれくらいは出してもいいんじゃないかなぁ」くらいは思えるし、その価値は充分にある傑作だけど、『DK2』は違う。だって、つまんねーもん。アレ?オレだけ??

なんつーかなぁ、ストーリーは骨太でね、ブッシュ政権の批判が込められてて、このコミックの世界では、大統領が悪人に乗っ取られてるという設定になってて(笑)んで、ヒーロー達が結託して、政府に立ち向かうんだけど、それはテロ行為なわけで、表向きは政府だから、それにテロを起こすってどういう事だ!と、また世間では賛否両論になってという感じで、前作と同じようなテーマだったりするんだけど、これね、バットマンが記号化されてるというか、ただのアイコンになってしまってる。ブルース・ウェインという男がバットマンに変身して戦うっていうのが全部無くなってて、最初からバットマン!って感じで、それ以上でもそれ以下でもない。もっと、言えば、誰だっていいって感じの扱いになってる。それはスーパーマンも一緒だ。フランク・ミラーが主張したい事は良くわかるんだけど、なんかそれを読むオレらは困っちゃったなぁって感じ?政治の事に深く関わりすぎてるというか、でも、そのくせ、今までのヒーローものを踏襲してる部分もあって、何がしたいんだよ!っていうか。

フランク・ミラーってコミックの全カットがものすごいキメ絵で、キューブリックのワンカットのごとくかっちょいい。だから『シンシティ』も『300』もコミックのコマ割りをそのまんま映画に移し替えたわけだ。『DK2』はそういう感じもなく、絵は『300』をさらに崩した感じで、オレはあんまし好みじゃないなぁ。Amazonの評価も★5とか多いけど、なんかレビューは無理矢理褒めてる感もあるんだよなぁ。っていうか、オレが分かってないだけか??オレ終わってるのか??というわけで、死んできます。あういぇ。

55歳のバットマンが頑張ります!
http://d.hatena.ne.jp/katokitiz/20081228/1230411733