ケラケラの「友達のフリ」という曲がヒドすぎる件

こないだ録画してたMJを観てたら、びっくりするような曲が流れてきた。

これ、いきものがかりの『風は吹いている』じゃないか!!

宇多田ヒカルが出てきたときや、椎名林檎が売れたときなど、エポックメイクになるようなアーティストがシーンに登場すると、それに似た音楽性を持ってる人がデビューするなんてことはよくあることだが、これはそのなかでも極北の部類というか、あまりのやり口に思わず噴飯してしまったほどだ。

それが証拠にgoogleで「ケラケラ」と検索するとすぐに「いきものがかり」と表示されるくらいで、他の人も少なからず「似てるなー」と思っているということだろう。

さらに驚くのがこれがyoutubeにアップされて圧倒的な再生回数を記録したという事実だ。

いきものがかりじゃダメなの?

確かにあるアーティストのある曲にハマったら、それに似た曲を出し続けてほしいというのはファンの勝手な心理だが、いきものがかりは別にリスナーのことを裏切ってるような印象は受けない。むしろファンのために似たような曲調の似たようなバラードを次々発表している人だと思う(もちろんこの場合は良い意味である)。故にこういうタイプのアーティストが出てきたらパクリじゃね?と真っ先に叩かれるものだと思っていたし、ここまで温故知新を感じない、二番煎じのものが支持されるとは…………

スーパーマリオ」の生みの親である宮本茂松本人志との対談でかつてこんなことを言っていた。

スーパーマリオが売れましたよね。そうするとみんなが褒めてくれるんですよ。いやーここがすごいですね、あそこがすごいですねって。ところが言ってくれることの半分くらいが他のビデオゲームでもやってることなんですよね。ということはインベーダー以来、スーパーマリオが出るまでゲームを知らなかった人のほうが世の中多いんですよ。ところがゲームを作ってると全部知ってる人と付き合ってると思うので間違えるんですよね」

このあとにもやりとりは続くのだが、要約するとドラマにしてもバラエティにしても音楽にしても映画にしても……それそのものについて詳しい人のほうが圧倒的に少ない。しかし、ある程度そのことについて詳しい人にもベクトルを向けないと爆発的ヒットは生まれないということである。宮本茂は革新的なゲームを世に送り出してきたが、そんな彼は元々ゲーマーであり、社内でも比較的ゲームに詳しかったということで開発のスタッフに抜擢されたという経緯がある。つまり、ある程度そのことについて知識がないと良いモノ/新しいモノは生まれないということなのだ。

そこからいくとこのケラケラというアーティストはその法則を打ち破った希有な存在だといえる。もちろんこういうモノに正解はないし、ヒット作=傑作ではないわけだが。

いやー、世の中なにがヒットするか?というのは分からないものである。