ポップな『東京物語』って感じ『海街diary』

是枝監督の「生き死にを商売にしてるように見えるけど、作家性だからしかたないのぉ」という感じが好きじゃないし、少女漫画も片手で数えるくらいしか読んだことがないので、観る気などさらさらなかったのだが、リビングのHDDに入ってたので観た。故に誰が出…

映像化不可能部分とは別に映像化には成功している『イニシエーション・ラブ』

『イニシエーション・ラブ』をレンタルDVDで鑑賞。 Mr.Childrenの曲で「ありふれたLove Story」というのがあるが、まさにそれを地でいく超普通の恋愛の話。87年の静岡が舞台。学生のときに合コンで出会った童貞と処女が付き合うことになるが、社会人になると…

「映画は二回観たほうがいい」なんて言いますが……『裏窓』

ヒッチコックの『裏窓』をちょー久しぶりに観たんですよ。 脚を骨折したカメラマンがひまつぶしに向かいのアパートの部屋をいくつかのぞき見してて、そうしたらそのなかのひとりがどうも奥さんを殺したっぽいなと思って勝手に調査する………まぁこういう話じゃ…

ヒッチコック映画の決定版『北北西に進路を取れ』

『北北西に進路を取れ』を音声解説で鑑賞。 最近「昔観ておもしろかったんだけど、いまひとつ細部を覚えてない名作を見返す」ということをやっていて、その流れで久しぶりに観ようと思ったら、DVDに脚本家の音声解説とメイキングがついていることを今更知り…

名刺代わりがすでに完成系/出口陽『Daybreak』

出口陽の『Daybreak』を聴いた。Day Break (初回限定盤)アーティスト: 出口陽出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント発売日: 2016/03/09メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見るSKEを微妙に箱推ししていたので“ゆるゆる/ぐだぐだカラオケ大会…

この映画のキリストは誰なのか?『インヒアレント・ヴァイス』

「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう」というラジオ番組がある。第一部で伊集院光が映画好きな有名人に映画をおすすめしてもらい、二週間後に第二部としてその映画の感想を語り合うという特殊な番組だ。スポンサーがツタヤなので、足を運んでもらう…

コーエン兄弟の原点?/レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』

超遅ればせながら『大いなる眠り』を読んだ。村上春樹訳のほう。大いなる眠り作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/12/01メディア: ハードカバー クリック: 2回この商品を含むブログ (24件) を見る…

85年前の不倫/三角関係映画『牝犬』

ワイドショーでベッキーや狩野英考のスキャンダルが話題になっているが、正義の味方面して「不倫は絶対にしてはいけません」とTwitterでいうわりに不倫がこの世からなくならないし(むしろ裁判で一番多いのは男女のこじれた関係のものらしい)、っていうか『昼…

型破りな演出そのものが立川流『赤めだか』

TV

ちょー遅ればせながらTBS年末ドラマスペシャル『赤めだか』を観た。 立川談春の同名エッセイの映像化。師匠、立川談志との出会いから前座時代の厳しいエピソードなどを描き、これを落語のバックステージものではなく、あくまで触れ込み通り、青春グラフィテ…

で、KAT-TUNの田口ってなんでやめるのよ?

「SMAP解散か!?」って報道が出たじゃないですか。んで、そこからいろいろ辿ってネットの記事を見てたんですよ。そしたらこれがまぁおもしろくてですね。読むのをやめれません。もちろん確定してる部分は少ないし、大半がくだらない記事なのはわかったうえ…

荒唐無稽なスパイ映画を継承するのはオレだ!『キングスマン』

『キングスマン』をBDで鑑賞。 ロンドンでクズ同然の生活を送っていた男の元にスーツを着た英国紳士があらわれ「君のお父さんは伝説のスパイだったのだよ!さあ君もスパイになろうじゃないか!」と言われ、そのまんまスパイになってしまうという映画。スパイ…

くりごはんが嫌いな男が2015年印象に残ったエンタメ

どうもカトキチです。毎年12月の頭に映画ランキングを書いたり、一昨年はテレビのことなんかも書いたりしましたが、なんと去年は劇場で映画を観たのが5回で、DVDも『テレクラキャノンボール』と伊丹十三監督作以外レンタルしておらず、映画というものにハマ…

例えばこれがラーメン屋だったら……『桐島、部活やめるってよ』

注・相当話題になった映画なので観た人にしか分からない書き方をしています。『桐島、部活やめるってよ』ちょー遅ればせながらBSで放送したヤツを鑑賞。 そのカメラワークや、金曜日が何度もそれぞれのキャラクター目線で映されるなど、基本的には襲撃が起き…

これぞ低予算ホラーの醍醐味『ヴィジット』

『ヴィジット』を鑑賞。 先週、急に5連休になることが決まり、大急ぎで東京行きを決めて、新宿でラーメン凪を喰らったあとに池袋で観た。ホントに急なお誘いだったのにOKしてくださった亘さん、ケロみんさん、チケットの手配等、ありがとうございました。『…

くりごはんが嫌いな男が選ぶ音楽映画ベストテン

毎年恒例ワッシュさん主催の映画ベストテンを選ぶ企画。今回は音楽映画。みなさんなかなか選ぶのに苦戦してらっしゃるようでしたが、ぼくはあっさりと決まった感ありました。 音楽映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 1.さらば青春の光(79年、フランク・…

ごめんなさい、Negiccoをナメてました

ちょー遅ればせながらNegiccoの『Rice & Snow』を聴いた。 まさか、ぼくがNegiccoについてブログを書くことになるとは想像もしていなかったが、ヲタではない一般の新潟県人にとってNegiccoというアイドルはそこまでたいしたポジションではなく、むしろ「何が…

ドラマとアニメを評価するならこっちかと「WATCHA(ウォッチャ)」

以前「Filmarks」という映画レビューを載せまくるアプリを紹介され、今でも楽しく使っているが、また新しいその手のアプリを紹介された。ぼくは簡素なデザインで使いにくかった「鑑賞メーター」を評価しておらず「Filmarks」の方が見た目も良いし、Twitterと…

又吉よりも笑える?『スクラップ・アンド・ビルド』

又吉直樹じゃない方の芥川賞『スクラップ・アンド・ビルド』を読んだ。 大変失礼な書き出しではあるが、そういう意味でも話題になっているので説明は不要だろう。しかし、又吉*1のライブに来たお客さんのなかでわずか3人しか『火花』を読んでなかったように…

誰か彼らに聞いてくれ「日本のロックはお好きですか?」と/The Strypes『Little Victories』

The Strypes(ザ・ストライプス)の新譜『Little Victories』を聴いた。 彼らのデビューは衝撃的だった。メンバーの平均年齢16歳という、あどけなさの残る少年たちが鳴らす超本格派のロックンロールにぼくは魅せられた。特にボーカルのロス・ファレリーのパフ…

すでに作者の人となりが分かっている純文学『火花』

又吉直樹の『火花』を読んだ。 もはや説明不要といったきらいもあるが、現役の人気芸人が第153回芥川賞を受賞し、さらに出荷数が200万部を突破したことで話題になっている。あまり読書量が多くなく、純文学と呼ばれるものもたいして読んでないのだが、かなり…

Twitterのアカウントを乗っ取られました

もしかしたら運が良かったのかもしれない。たまたまTwitterをアプリで開いたとき、ぼくのアカウントで書いた覚えのないツイートがTLに流れていた。これが「乗っ取り」だと気づくまでにそう時間はかからなかった。そこに書かれていたのは「10分」————つまりぼ…

しかし新譜のタイトルが『Star Wars』て!

ウィルコの新譜『Star Wars』がリリースされた。 めっきりCDを買わなくなり、ヴィンテージロックしか聴かなくなったこの昨今だが、ウィルコだけはしっかりチェックして聴くようにしている。ザ・バンドを彷彿とさせるアメリカのルーツロックへの探求、そこに…

二時間マジでカーチェイス『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』鑑賞。 公開されたと同時にすさまじい熱量の感想がツイッターに溢れかえった。さらに新しく観た人が前に観た人の感想をリツイートしたりして、TLが「マッドマックスヤバイ」だらけになった。『マッドマックス』でこう…

何度目かの映像革命のひとつ『ミュータント・タートルズ』

『ミュータント・タートルズ』をBDで鑑賞。 見事に直撃世代であり、アニメも実写版も子供のころに繰り返し観て、ゲームも数本プレイしており、かなり思い入れは強い。それは妹もおなじらしく、しっかり映画館で観て、BDも購入していたので、ご相伴にあずかる…

いまさらストーンズにハマった

ゴールデンウィーク前……四月の頭くらいからずーっとストーンズにハマっていた。 フェイセズやジェフ・ベック・グループ、ロン・ウッドのソロ作品、もっといえばザ・バンドやオールマン・ブラザーズ・バンド、フリートウッド・マックのようなルーツを大切にす…

ブラー、12年ぶりの新譜『ザ・マジック・ウィップ』

ブラーの『ザ・マジック・ウィップ』を聴いた。 12年ぶりの新譜だが、前作はギターのグレアム・コクソンが脱退していたので、バンドのメンバーが揃ってる状態として考えると16年ぶりになる。あまりCDを買わなくなったこの昨今。熱心に聴いていたバンドが新譜…

世界の映画がオタクが選んだベスト100の78位『ポイント・ブランク』

『ポイント・ブランク』をDVDで再見。『殺しの分け前』でも『標的にされた男』でもない。 『Cut』という雑誌の「世界の映画オタク10万人が選んだ史上最高の映画ベスト100」特集にて、78位に堂々ランクインしながらも、その100本のなかで唯一存在すら知らなか…

再び高倉健萌え!『ミスター・ベースボール』

『ミスター・ベースボール』鑑賞。BSで放送されたヤツ。高倉健が亡くなってからそこそこ経つのに未だに出演作がこうやって放送されるのがすごいな。もちろん嬉しいけども。 成績不振と素行の悪さにより、アメリカではオファーされず、日本の球団に移籍するこ…

あくまでギャレス・エドワーズ“の”『GODZILLA ゴジラ』

『GODZILLA ゴジラ』をBDで鑑賞。 日本の『ゴジラ』に忠実に描かれているというふれこみながら、間違った日本描写はあいかわらずで、集中して観ていたつもりだったが、置いてけぼりになるような設定もあり、芹沢博士は終始どこにいたのか?とか、アナログで…

ツービートの元ネタはミヤコ蝶々?『たけしの“これがホントのニッポン芸能史”』

TV

BSプレミアムで放送された『たけしの“これがホントのニッポン芸能史”』がものすごくおもしろかった。今まで観てきたお笑いの番組でもトップクラスだったといっていい。 ビートたけしを博士、所ジョージを助手とした芸能史についての番組でテーマは漫才。冒頭…