はきだめの男女『愛の渦』

『愛の渦』をAmazonプライムにて鑑賞。 今作は乱交場を提供する風俗店に集まってきた強力な性欲を持つ男女8人の物語。とはいえ、それぞれのバックグラウンドが語られることなく、ひとつの部屋のなかという限定された空間だけで映画は進む。元は舞台劇だった…

黒沢清の真骨頂『クリーピー 偽りの隣人』

『クリーピー 偽りの隣人』をAmazonプライムにて鑑賞。しかし、映画のタイトルバックでは『クリーピー』表記なのに、なぜ公開されると山崎貴の映画のようなわけわからんサブタイトルがついているのか?まったく必要ない。 『CURE』からはじまり『回路』や『…

コントロール不能の気持ち『ディストラクション・ベイビーズ』

『ディストラクション・ベイビーズ』をAmazonプライムにて鑑賞。 そのタイトルの語感でいやがおうでも『コインロッカー・ベイビーズ』を思い出すだろうが、NUMBER GIRLの「DESTRUCTION BABY」からの引用であり、そのフロントマンであった向井秀徳が音楽を担…

暴力の是非を問わない“わらの犬”『アイアムアヒーロー』

Amazonプライムにて『アイアムアヒーロー』鑑賞。 「あの『アイアムアヒーロー』を佐藤信介監督と、大泉洋で映画化だと!?『GANTZ』はヘッポコだったし、大泉に至っては主人公に似ても似つかないじゃないか!!!」という下馬評を大きく覆し、映画秘宝の年…

荻野由佳センターだからこそ成立する人類愛/NGT48『世界の人へ』

結構前の話になるが、NGT48『世界の人へ』のタイプA、B、Cを購入した。酩酊状態でスマホから注文したのもあってか、タイプCだけが2枚届くというアクシデントがあった。みなさまも注意されたし。ちなみにそのもう一枚のタイプCはNGTファンである主任の奥さん…

楊天青は二度ベルを鳴らす『菊豆 チュイトウ』

先日、Twitterにてメーカーのアカウントが『菊豆』をBD化したくてしたんだけど、全然売れてない!みたいなことをツイートしていて、それがRTで回ってきた。 ついでに言います。自分がやりたくてやって、本当に売れてないのがチャン・イーモウの『菊豆(チュ…

くりごはんが嫌いな男が選ぶ「映画映画ベストテン」

ここ三年くらい映画から離れ、さらにはブログもほぼ放置状態だったので、ワッシュさんの毎年恒例のベストテン企画も二年間参加しませんでした(オールタイムベストテン2017は結果発表のときに記事にする始末)。映画映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!とい…

100円の女を全身全霊で演じる『百円の恋』

『百円の恋』をAmazonプライムで鑑賞。 一度も就職することなく、怠惰な生活を続けて32歳になってしまった一子。妹とのケンカをきっかけに家を出て、100円ショップでバイトをはじめる。深夜労働なのでわりとヒマな日々をすごし“バナナマン”と呼ばれていたボ…

剛、走る『日本で一番悪い奴ら』

『日本で一番悪い奴ら』をAmazonプライムにて鑑賞。 戦後の殺人事件のなかで最も“凶悪”と言われた事件を映画化した白石和彌監督が次に選んだのは日本警察史上最大の不祥事といわれた「稲葉事件」の映画化でその名も『日本で一番悪い奴ら』。非常に良いタイト…

たたきあげの監督の映画はおもしろい『凶悪』

『凶悪』をAmazonプライムにて鑑賞。 「女子高生コンクリート詰め殺人事件」や「埼玉県愛犬家連続殺人事件」、「北九州監禁殺人事件」、「東大阪集団暴行殺人事件」(いずれも映画化)など戦後犯罪史において胸くそ悪い殺人事件は山ほどあるなか、その事件をま…

タイトルからして思わせぶり『三度目の殺人』

どうもお久しぶりです。仕事が変わってスーパーホワイト企業に入社し、薄給ながらもバイトのような労働時間なので、映画を観る時間が増え、毎日映画を一本必ず観る生活と相成りました(といっても昔観ておもしろかった映画を見返してるだけだけど)。はてなダ…

サニーデイ・サービスの丸山晴茂が亡くなってしまった

サニーデイ・サービスのドラマー丸山晴茂が47歳の若さで亡くなってしまった。体調不良でバンドを離脱していたのは知っていたが、亡くなるなんて思ってなかった。 サニーデイ・サービスはとてつもなく思い入れがあるバンドである一方で、アルバムに良い意味で…

愛をこめてコミニュケーション・ブレイクダウン

ぼく佐野元春の「コミニュケーション・ブレイクダウン」って曲がすごく好きなんですけど、その理由ってのがへっぽこなラップなんです。VISITORS 20th Anniversary Edition (初回限定盤)(DVD付)アーティスト: 佐野元春出版社/メーカー: ソニーミュージックエ…

『ゼルダ』は人生を教えてくれるゲームである

すさまじく忙しかったのだけれど、そのほんの合間をぬって『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下、BotW)』をWii Uでプレイしていた。スーパー定時会社になったので、これからますますプレイ時間が増えることでしょう。ホントはNintendo Switchを買っ…

純文学に挑んだアニメ『恋は雨上がりのように』

実写化でも話題になったアニメ『恋は雨上がりのように』を某サイトにて観た。 きっかけは単純に「しゃべくり007」に大泉洋と小松菜奈が出ていて、ふたりが共演した映画ってなんだろう?と興味を持ったから。たいした番宣もしてなかったので、どんな話なのだ…

半分のことでいいから君を教えておくれ

お久しぶりです。ブログを三ヶ月も放置してました。とりあえず本日、5月20日で今の仕事をやめることができました。次の職場も決まっていて、そこが残業という概念がないので、わりと時間取れると思います。はい。そのあたりでライター業の方も再開したく……編…

『アンナチュラル』第7話がちょーすばらしかった件

TV

Twitterでやたら評判が良かったというのもあり、同スタッフが手がけた『Nのために』も傑作だと思っていたので、なんとなく『アンナチュラル』を2話から毎週リアルタイムで観ていた。とはいえ、実はみんなほど熱狂していたわけでもなく、結構「?」マークが点…

1日14時間残業代なしで働く男が選ぶオールタイムベストムービー2017

お久しぶりです。安田美沙子です。わりと映画ブログというくくりで更新してきた「くりごはんが嫌い」ですが、いよいよ今年は『シン・ゴジラ』しか観ていないという体たらく。確かスマスマに北野武が出たときだったと思うが、「一週間何も食べなかったヤツに…

MVのラストの解釈が……/NGT48『世界はどこまで青空なんだろう?』

NGT48の2ndシングル『世界はどこまで青空なんだろう?』のType-BとType-Cを購入した。 本当はType-Cだけ買おうとしていたのだが、絶賛箱推し中の妹が「Type-Bこうてきてくれや」と言ってきたので、仕事終わりにツタヤでフラゲしてきた。全種類買うとポスター…

黄金期に匹敵するアルバム/the pillows『STROLL AND ROLL』『NOOK IN THE BRAIN』

THE PREDATORSからの流れも多少影響しているが、the pillowsを聴きたくなり、聴いてなかった『ムーンダスト』と『STROLL AND ROLL』と現時点での最新作である『NOOK IN THE BRAIN』をレンタルした。STROLL AND ROLL 初回限定生産盤 (CD+DVD)アーティスト: th…

最近、GLAYではなく、THE PREDATORSとしてのJIROが気になって仕方がない。

2018年、二年半ぶりにTHE PREDATORSが再始動されるというニュースが飛び込んできた。 THE PREDATORS再始動シングルの全貌発表、2015年ツアー音源も収録 - 音楽ナタリー THE PREDATORS、3人集合コメント動画と新作ジャケ公開(動画あり) - 音楽ナタリー 改め…

タイトルがすべてを表している/Weezer『Pacific Daydream』

お久しぶりです。安田美沙子です。三ヶ月ぶりにブログ書いてます。7月から9月まで超繁忙期で一日平均14〜16時間、休憩も取れて40分、取れないときで10分。手当は出るものの、残業代ゼロという状態で働いていたので、ブログを書くどころではありませんでした…

バンド全体で歌ってるような感じ/スピッツ『醒めない』と『小さな生き物』

昨日、いきなりステーキに行った帰り、タワレコへ寄ったら、店頭にスピッツのアナログ盤が何枚か置いてあった。人気のあるやつは早々になくなったのか、残されていたのは『さざなみCD』、『とげまる』、『小さな生き物』、『醒めない』と、比較的近年のもの…

そもそも選曲が48Gのベストオブベスト『NGT48 1ST ANNIVERSARY』

NGT48劇場オープン一周年特別記念公演とNGT48自体の一周年記念コンサート、そして劇場オープン一周年特別イベントを丸々収録した『NGT48 1ST ANNIVERSARY』のBDを購入して、全部観た。 7500円とわりと高額だが、購入に踏み切った理由はセットリストが神がか…

近代アイドルと題材の相性の良さ『ひぐらしのなく頃に』

TV

NGT48のメンバーが多数出演した『ひぐらしのなく頃に』を観た。 超がつくほど人気のメディアミックス作品をNGT主演で、しかもオール新潟ロケで実写化するという負け戦感がプンプン漂う企画で、実際原作の大ファンである妹も「何を考えてるんだ」的なことを言…

ビートルズの偉大さを改めて実感/ASIAN KUNG-FU GENERATION『ソルファ』再録盤

いきなりだが「このアルバム、今改めてレコーディングしてくれないかな」と思うことが多々ある。ぼくは音楽を聴く行為が好きだが、その一方でライブにいくことは少ない。理由は単純でレコーディング音源が好きで好きでたまらないからである。だからライブ盤…

20年経った今こそ『Be Here Now』を再評価せよ!

いま思えば1997年の音楽シーンはすごかった。“いま思えば”と表記したのは、当時はそのすごさがあまりピンと来てなかったからである。その頃のぼくはといえば、碇シンジと同じ14歳。渋谷系に傾倒し、サブカルをひた走るマセガキであり、誕生日プレゼントはも…

ファースト、セカンドの呪いから解き放たれた一枚/Weezer『Weezer(White Album)』

またしても遅ればせながらWeezerの『Weezer(White Album)』を購入。 Weezerは新譜が出たら必ず買うようにしていたのだが、仕事の忙しさにかまけて放っておいたらこんなことになってしまった。大変もうしわけない。しかもそのまえにタワレコで『Pinkerton』の…

はてなにブログを“勝手に”非公開にされました

注・タイトルは若干釣ってますが、ぼくにしてみたら勝手に非公開にされた感があるので、あったことをそのまんま書きます。5月3日。仕事の休憩中になんとなくiPhoneで自分のブログを見てみたんですよ。そしたら、ログインページに移動します的な文面が出てき…

ペット・サウンズやロング・バケーションに匹敵する名盤/サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』

サニーデイ・サービスの『DANCE TO YOU』を聴いた。 仕事の移動中にiPodをつないで音楽を聴けるという環境になり、小沢健二の『流動体について』や、NGT48の『青春時計』など、久しぶりにCDを定価で店頭で買って聴くということをした。それで火がついたのか…